高齢の親を見守る家族のイラスト

介護(認知症)予防は『早く相談する』ことから。家族が気づいたときに取るべき行動

「最近、親の様子が前と違う気がする…」 「物忘れが増えてきたみたいで心配」 そんな違和感を感じていらっしゃる方へ。介護予防でいちばん大事なのは『気づいたらすぐ相談すること』 です。 私自身、認知症の母を介護する家族のひとりでもあります。理学療法士として現場で多くのご家族を見てきましたが、「もっと早く相談していれば…」と後悔されるケースが本当に多いんです。 結論:違和感に気づいたら、この2つに連絡を かかりつけ医(または神経内科)に受診 地域包括支援センター に相談 どちらも介護認定を受ける前から利用OKです。 私が後悔していること うちの母は、まもなく75歳。認知症で、いまでは要介護3になりました。 最初は「ちょっと物忘れが多くなったかな」程度でした。でも、当時の私はもっと早く動けばよかったと、今になって思います。 最初に「あれ?」と思ったとき、すぐに病院や地域包括支援センターに連れて行っていれば、もう少し違った形で過ごせていたかもしれない のです。 認知症は 早い段階で脳にアプローチする ことで、進行を緩やかにできる可能性があります。 こんな変化に気づいたら、放っておかないで ご家族の中で、こんなサインが出ていないかチェックしてみてください。 同じ話を何度も繰り返す 物の置き場所がわからなくなり、探し物が増えた 約束や予定を忘れることが増えた 言葉が出てこない、つじつまが合わない 出かける準備に時間がかかるようになった 服装や身だしなみに無頓着になった さらに、ひとりで出かけて帰り道がわからなくなる ようなことがあれば、早急な対応が必要です。 💡 「歳のせいかな」で済ませず、変化に気づいたらすぐに行動 を。これが介護予防の第一歩です。 相談先①:かかりつけ医(または神経内科) まずは医療面から。普段から通っているお医者さまがいれば、その先生に相談してみてください。 「最近、母の物忘れが気になるんです」と伝えれば、適切な専門医を紹介してくれることが多いです。 かかりつけ医がいない場合は、ご近所の方に評判を聞いてみたり、お住まいの地域名と「神経内科」「認知症外来」などで検索してみましょう。 相談先②:地域包括支援センター 医療と並行して、ぜひ訪ねてほしいのが 地域包括支援センター です。 各市町村に必ず設置されている、高齢者の総合相談窓口 です。 何ができる場所? 介護に関する困りごとの相談 介護保険の使い方の説明 介護認定の申請サポート 介護保険を使う前の予防サービスの紹介 各種地域サービスの情報提供 🔍 お住まいの地域の地域包括支援センターは こちら から検索できます。 「まだ介護認定を受けていないんですが…」でも大丈夫 これ、誤解されがちなのですが、介護認定を受けていなくても相談できます。 「最近、親の様子が気になって…」と話すだけでもOK。担当の方が今後の見通しや、利用できるサービスを一緒に考えてくれます。 介護認定の前から使えるサービスもあります 意外と知られていないのですが、介護認定を受ける前の段階でも 使えるサービスがいろいろあります。 たとえば: 専門家がご自宅に訪問して、認知機能や栄養面のアドバイス(短期集中型) 地域の住民が運営する 健康体操 や サロン への参加 ひとり暮らしの方向けの、ゴミ出し・布団干し・買い物支援 地域によってサービスの内容や量に差はありますが、「うちの地域ではどんな支援があるか」を聞いてみるだけでも価値あり です。 ...

November 8, 2021 · 1 分
腰に手をあてて痛みをこらえる人のおだやかなイラスト

「レントゲンは異常なしなのに、なぜ痛い?」 〜腰痛と脳の、意外な関係のお話〜

「画像を撮っても、骨に異常はないと言われた。でも、腰は痛いまま」——。 そんな経験は、ありませんか? じつはこれ、とても多いお悩みです。そして最近の「痛みの研究」では、その理由がだんだんと分かってきました。 キーワードは、「脳」 です。腰の痛みなのに脳?と思われるかもしれませんが、慢性的な腰痛ほど、脳とのつながりが深い ことが分かってきているのです。今回はそのしくみを、できるだけやさしく解説します。 ✅ 痛みは「ケガの大きさ」そのものではなく、脳が出す “警報” のようなもの ✅ 痛みが長く続くと、神経や脳が 過敏(かびん) になり、傷が治っても痛みが残りやすくなる ✅ 焦らず、安全な範囲で 少しずつ動く ことが、回復への近道になる 目次 痛みは「ケガの大きさ」を測る目盛りではない 痛みが長引くと、脳と神経が“過敏”になる 不安や「動くのが怖い」が、痛みをさらに強める だからこそ、「動くこと」が回復のカギ 理学療法士として、現場で感じること まとめ 参考(すこし専門的な補足) 痛みは「ケガの大きさ」を測る目盛りではない あなた 検査では「異常なし」って言われたのに、こんなに痛いんです。気のせいなんでしょうか……。 Torapon 気のせいなんかじゃないですよ。痛みは、ケガの大きさをそのまま数字で表しているわけではない んです。まずはそこからお話ししますね。 多くの人は「痛み=体が壊れているサイン」だと思っています。もちろん、ぎっくり腰のような急な痛みは、実際に組織へのダメージが原因です。 ただ、痛みの正体はもう少し複雑です。痛みは、脳が「これは危険かも」と判断したときに鳴らす“警報” のようなもの。ケガの大きさを、そのまま目盛りで示しているわけではありません。 だから、こんなことが起こります。 大きなケガでも、夢中になっていると痛みを感じない 小さな変化でも、不安な状況だと強く痛む 痛みは「体の状態」だけでなく、「脳がどう受け取ったか」 で大きく変わるのです。 痛みが長引くと、脳と神経が“過敏”になる やっかいなのは、痛みが 3か月以上 続くと、体の傷が治った後も痛みが残りやすいことです。 これは、痛みを伝える神経のシステム自体が敏感になってしまうために起こります。専門的には 「中枢性感作(ちゅうすうせいかんさ)」 と呼びます。 あなた 中枢性感作……。むずかしそうな言葉ですね。 Torapon イメージは、鳴りっぱなしの車の防犯アラーム なんです。もう泥棒はいないのに、警報だけが鳴り続けている——そんな状態が、体の中で起きているんですよ。 危険はもう去ったのに、痛みのスイッチだけがオンのまま。これが、慢性腰痛でよく起きていることです。 さらに、痛みが長引くと、脳の中で 痛み・感情・注意 をあつかう部分の働きにも変化が現れることが報告されています。痛みが「ただの感覚」ではなく、気分や集中力とも結びついてしまうのですね。 不安や「動くのが怖い」が、痛みをさらに強める ここで大切なのが、心の状態も痛みに直結している という点です。 「また痛くなったらどうしよう」という不安 「これ以上ひどくなるかも」という考え 「動いたら悪化しそう」という、動くことへの恐怖 こうした気持ちがあると、人は自然と体を動かさなくなります。ところが、動かさないでいると筋力や柔軟性が落ち、神経はますます過敏に。結果として、痛みがさらに長引く悪循環 に入ってしまいます。 つまり腰痛は、「腰そのものの問題」だけでなく、体・心・生活環境が絡み合った問題 として捉える必要があるのです(これを「生物心理社会モデル」と言います)。 だからこそ、「動くこと」が回復のカギ ...

July 22, 2026 · 1 分