「夜中に何度も目が覚めてしまう」「若いころは、どこでも眠れたのに」——。 そんなふうに感じて、ため息をついたことはありませんか?

じつは今年(2026年)発表された大きな調査で、日本人の眠りの「いま」 が詳しくわかってきました。そして面白いことに、睡眠の悩みの中身は、年代によって大きく変わっていく のです。

「眠れないのは自分だけ」と思っていた方にこそ、読んでいただきたい内容です。数字を見ながら、今夜からできる工夫まで、ご一緒に見ていきましょう。

✅ 日本人の睡眠時間は平均 6.4時間。理想は 7.4時間 で、ちょうど1時間足りない 状態が続いている

✅ 睡眠の悩みは年代で変わる。若い世代は「時間が足りない」40〜50代は「眠りが浅い」70代は「寝つけない・夜中に目が覚める」 が中心

✅ 年齢とともに眠りが変わるのは 自然なこと。日中の過ごし方を少し変えるだけで、眠りの質は整えやすくなる


目次

  1. 日本人の眠り、いまはどうなっている?
  2. 年代で、こんなに変わる睡眠の悩み
  3. なぜ、年をとると眠りが変わるの?
  4. 理学療法士として、現場で感じること
  5. いま、私たちにできること
  6. おわりに

日本人の眠り、いまはどうなっている?

夜、眠れずに困っている女性のイラスト

あなた あなた

「日本人は眠れていない」ってよく聞きますけど、実際のところ、どうなんですか?

Torapon Torapon

今年の春に、全国3,000人に聞いた新しい調査があるんです。数字で見ると、「1時間足りない」 という姿がはっきり見えてきますよ。

調査会社のクロス・マーケティングが2026年3月に、全国の20〜69歳・3,000人に行った「睡眠に関する調査」によると——

  • いまの平均睡眠時間は 6.4時間
  • 理想の睡眠時間は 7.4時間
  • その差は ちょうど1時間。しかもこのギャップは、2023年からずっと変わっていない そうです

さらに、眠りの「質」についてはこんな結果でした。

睡眠の状態 割合
日中、眠くなる 65%
寝ても疲れがとれない 59%
眠りが浅い 57%

半分以上の人が「昼間眠い」「疲れがとれない」と感じている——つまり、眠りに悩んでいるのは、決してあなただけではない のです。


年代で、こんなに変わる睡眠の悩み

三世代の家族が並んでいるイラスト

ここからが、今回いちばんお伝えしたいところです。同じ「眠れない」でも、年代によって中身がまったく違う ことが、調査からわかっています。

若い世代(10〜30代):「時間が足りない・朝がつらい」

若い世代の悩みの中心は、睡眠時間そのものの不足 です。夜ふかしなどの生活リズムの乱れが影響しやすく、「朝なかなか起きられない」「日中だるい」という声が目立ちます。

40〜50代:「眠りが浅い・疲れがとれない」

働き盛りの世代では、「眠りの浅さ」 が特に多くなります。2026年の調査では、眠りの浅さは 50代で最も多い という結果でした。

また、2025年11月に全国の18〜79歳・3,000人に行われた別の調査(クロス・マーケティング「健康に関する実態・意識調査」)では、疲れやストレスを最も強く感じているのは40〜50代 だとわかっています。全体でも、疲れを感じている人は約7割、ストレスを感じている人は約6割にのぼりました。

あなた あなた

まさに私の世代です……。あと、夫のいびきも気になっていて。

Torapon Torapon

じつは調査でも、男性の50〜60代は「いびき」女性の40〜60代は「手足の冷えやしびれ」 が睡眠時の悩みの上位なんです。年代と性別で、悩みの顔ぶれが変わるんですね。

70代:「寝つけない・夜中に目が覚める」

そして70代になると、悩みの主役は 「なかなか寝つけない」「夜中に目が覚める」 に変わります。2025年11月の調査で、70代の方に「なぜ疲れがとれないと思うか」を尋ねたところ、この2つが上位に入りました。

睡眠時間が足りないというより、「ぐっすり眠れない」「朝までつづけて眠れない」という悩み が中心になっていくのです。


なぜ、年をとると眠りが変わるの?

布団でぐっすり眠るおじいさんのイラスト

あなた あなた

やっぱり、年のせいなんでしょうか。ちょっとさみしい気もします……。

Torapon Torapon

たしかに加齢の影響はあります。でもそれは 「衰え」ではなく「変化」 なんです。眠りの形が変わったと知るだけでも、気持ちはずっと楽になりますよ。

年齢を重ねると、眠りには自然な変化が起こります。

  • 深い眠りが減り、浅い眠りが増える ——そのため、ちょっとした物音や尿意で目が覚めやすくなります
  • 体内時計が前にずれる ——夕方から眠くなり、朝早く目が覚めやすくなります
  • 必要な睡眠時間そのものが、少しずつ短くなる ——若いころと同じ長さを眠れなくても、それ自体は異常ではありません

一方で、年齢だけがすべてではありません。少し前の調査(日本インフォメーション、2022年)では、不眠の原因として 「ストレス」を挙げた人が52.2% と最も多く、「生活習慣の乱れ」38.4%、「運動不足」24.2%が続きました。2026年の調査でも、眠りを妨げる悩みごとの上位は「お金のこと」「仕事のこと」「人間関係」でした。

つまり、加齢による自然な変化 に、ストレスや生活習慣 が重なって、いまの眠りの悩みができあがっている——そう考えると、「変えられる部分」も見えてきます。


理学療法士として、現場で感じること

リハビリの現場でも、「夜中に何度も目が覚めてね」「夜トイレに起きると、そのあと眠れなくてね」という声は、本当によく聞きます。

そして長く現場にいて感じるのは、日中の活動量が増えてくると、「最近よく眠れる」とおっしゃる方が多い ということです。散歩やリハビリで体を動かす時間が増えると、夜の眠りが少しずつ変わっていく——そんな場面に、何度も出会ってきました。

じつは先ほどの2025年11月の調査でも、70代のストレス解消法の上位に 「散歩など軽い運動」(29%) が入っています。人生の先輩たちは、体を動かすことの心地よさを、経験から知っているのかもしれません。


いま、私たちにできること

手をつないで仲良く歩く老夫婦のイラスト

年代ごとの変化をふまえて、今夜から・明日からできる工夫をまとめます。

朝〜日中にできること

  • 朝、太陽の光を浴びる(体内時計が整い、夜の眠気につながります)
  • 日中に散歩など、軽く体を動かす(動いた日ほど、眠りは深くなりやすい)
  • 昼寝をするなら、午後の早い時間に20〜30分まで(夕方の長い昼寝は夜の眠りを浅くします)

夜にできること

  • 寝る1〜2時間前に、ぬるめのお湯にゆっくりつかる
  • 寝る前のスマホ・カフェイン・お酒は控えめに
  • 眠れないまま布団で粘らない(いったん布団を出て、眠くなってから戻るほうが、結果的によく眠れます)

考え方のヒント

  • 「8時間眠らなきゃ」と数字にしばられない(年齢とともに必要な睡眠時間は変わります。日中元気に過ごせていれば、それで十分です)
  • ✅ 休むことを「サボり」ではなく 「明日への投資」 と考える

夜間の困りごとが強い場合(激しいいびきで呼吸が止まると言われた、脚がむずむずして眠れない、日中の眠気で生活に支障が出ている等)は、睡眠の病気がかくれていることもあります。※ 気になる症状が続くときは、かかりつけ医にご相談ください。

眠りと脳の関係については、こちらの記事もどうぞ。 👉 ぐっすり眠ると、脳が掃除される?〜眠りと脳のふしぎな関係〜 👉 今日から始める『脳が喜ぶ眠り方』〜睡眠の質を上げる実践のヒント〜


おわりに

「夜中に目が覚めるのは、私だけ?」——その答えは、「いいえ、同じ悩みの仲間がたくさんいます」 でした。

睡眠の悩みは、年代とともに形を変えます。若いころと同じように眠れなくても、それは衰えではなく、眠りの形が変わっただけ。そう受け止めたうえで、朝の光、日中の運動、夜の過ごし方を少しずつ整えていけば、眠りは何歳からでも育て直せます。

今夜は「眠らなきゃ」と力むのをやめて、まずは明日の朝、カーテンを開けて光を浴びるところから始めてみませんか。


参考にした情報

  • クロス・マーケティング 「睡眠に関する調査(2026年)実態編」(2026年3月実施、全国20〜69歳の男女3,000人)
  • クロス・マーケティング 「健康に関する実態・意識調査(2025年11月定点ココロスタイルリサーチ)」(2025年11月実施、全国18〜79歳の男女3,000人)
  • 日本インフォメーション 「〜日本人の半数は睡眠不足?〜 睡眠に関する意識・行動調査」(2022年5月実施、全国16〜59歳の男女975人)

※ 本記事は、上記の調査結果をもとに、一般読者向けにわかりやすくまとめ直したものです。調査はいずれもアンケートによる実態調査であり、個々の症状の原因を特定するものではありません。睡眠に関する不調が続く場合は、かかりつけ医にご相談ください。