運動・食事・人とのつながり・睡眠を象徴するやさしいイラスト

今日から始める「脳の守り方」 〜4本柱で続ける認知機能の予防〜

第1回 では脳の主役たちを、 第2回 では脳が衰えていく仕組みを、ご一緒に見てきました。 ここまでくると、こんな声が聞こえてきそうです。 「で、結局、なにをすればいいの?」―― ご安心ください。最終回の今回は、今日から始められる「脳の守り方」 を、4つの柱にまとめてご紹介します。 特別な道具も、難しい知識も必要ありません。 毎日の暮らしの中で、少しずつ積み重ねるだけ です。 ✅ 守り方の柱は 「運動」「食事」「人とのつながり」「睡眠」 の4つ ✅ どれか1つでもOK。「これなら続けられそう」 から始めるのがコツ ✅ 脳は 何歳になっても変わる力(神経可塑性) を持っています 目次 大前提:脳は何歳になっても変わる 運動 〜歩くことから始められる、いちばん確かな予防策〜 食事 〜血管をいたわることが、脳を守ること〜 人とのつながり 〜「認知的予備能」を育てる暮らし方〜 睡眠 〜眠っている間に、脳は記憶を整えている〜 気になったら早めに専門医へ まとめ おわりに 大前提:脳は何歳になっても変わる 予防のお話に入る前に、もう一度お伝えしたい大事なことがあります。 それは、脳は何歳になっても新しい回路を作る力を持っているということです。 専門用語では 神経可塑性(しんけい かそせい) と呼ばれます。 60歳から新しい楽器を始めた方 70歳から英会話を学び始めた方 80歳から絵を描き始めた方 そういう方たちの脳をMRIで見ると、実際に脳の構造が変わっていることが研究で報告されています。 「もう年だから」と思った瞬間に、脳の成長は止まりがちです。 「やってみよう」と思った瞬間から、脳はまた動き出します。 ここから紹介する4つの柱は、その「動き出した脳」を 育て、守る ための土台です。 運動 〜歩くことから始められる、いちばん確かな予防策〜 研究で いちばんはっきり効果が示されているのが、運動 です。 なかでも 有酸素運動(ウォーキング、軽いジョギング、水中歩行など)は―― 前頭前皮質や海馬の 灰白質を増やす 左右の脳をつなぐ 連絡網を強くする ミエリン(神経の保護膜)の修復を助ける ことが分かっています。 どのくらい、何を? 目安は1日5,000〜7,500歩。これだけで認知症リスクがしっかり下がるという研究があります 少し息が弾むくらいの早歩き を、合間に1〜2分でも入れる 週に2〜3回、ストレッチや軽い筋トレも組み合わせる 詳しくは、こちらの記事もあわせてどうぞ。 👉 1日5,000〜7,500歩で認知症リスクがぐっと下がる 👉 認知症リスクを45%下げる運動習慣 ...

May 14, 2026 · 2 分
夜空の下、月明かりにそっと照らされる脳のイラスト

ぐっすり眠ると、脳が掃除される? 〜眠りと脳のふしぎな関係〜

「最近、ぐっすり眠れていますか?」 夜中に何度も目が覚めたり、朝起きても疲れが残っていたり——。 そんな日が続くと、なんとなく頭がぼんやりして、集中力も落ちてきますよね。 でも、もし「睡眠」が、ただの休憩ではなく、脳の中をきれいに掃除する大切な時間だったとしたらどうでしょう? 実は、2012年に発見されたある仕組みによって、それが本当のことだと分かってきました。 今回はその仕組み——「グリンパティック・システム」をやさしくご紹介します。 この記事のポイント ✅ 脳には、寝ている間に老廃物を流す独自の「掃除システム」があります ✅ そのカギを握るのは、脳脊髄液(のうせきずいえき)と、 星型の細胞「アストロサイト」です ✅ 睡眠不足は、認知症の原因物質の蓄積につながる可能性があります 目次 そもそも「グリンパティック・システム」って? 寝ている間、脳の中で何が起きているの? 掃除がうまくいかないと、どうなる? どうやって守ればいいの? まとめ そもそも「グリンパティック・システム」って? あなた グリンパティック……? なんだか難しそうな名前で、読む前からくじけそうです。 Torapon 名前は難しそうですが、中身はシンプルなんです。ひとことで言うと、眠っている間に脳のゴミを水で洗い流すしくみ。それだけ分かれば十分ですよ。 聞き慣れない言葉ですが、難しく考えなくて大丈夫です。 脳の中を流れる水(脳脊髄液)が、老廃物を洗い流してくれる仕組み——そう思っていただければ十分です。 私たちの体には「リンパ系」という、老廃物や余分な水分を集めて流す仕組みがあります。 ただ、脳の中にはリンパ管がほとんど通っていません。 ではどうやって脳の中の “ゴミ” を片付けているのか——。 それを2012年に解き明かしたのが、デンマークの神経科学者ネーデルガード博士のチームでした。 彼らは脳特有の “もう一つのリンパ系” として、この仕組みをグリンパティック・システムと名付けました。 「グリア(脳の支援細胞)+リンパ」という意味の造語です。 脳の中にも、私たちが眠っている間にせっせと働く"掃除部隊"があったのです。 寝ている間、脳の中で何が起きているの? あなた 寝ているだけなのに、脳の中でそんなに色々なことが起きているんですか? Torapon そうなんです。眠っている間の脳は、休んでいるどころか 『そうじタイム』 の真っ最中。3つの主役が力を合わせて働くんですよ。順に見てみましょう。 このシステムの主役は、3人います。 1. 脳脊髄液(のうせきずいえき)——脳と背骨の中を流れる、無色透明の液体です。 2. アストロサイト——脳の中で神経細胞を支える、星のような形をした細胞です。 3. 血管の “ゆっくりした拍動”——心臓に合わせて広がったり縮んだりするポンプの動きです。 眠りに入ると、これらが連携して動き始めます。 ① 細胞の “すき間” が広がる ノンレム睡眠(深い眠り)に入ると、脳の中の興奮を高める物質(ノルアドレナリン)の量がぐっと下がります。 すると、脳の細胞が少し縮み、細胞と細胞のすき間が約60%も広がることが分かっています。 このすき間こそが、脳脊髄液の “通り道”。 広がった通り道を、液体が一気に流れやすくなるのです。 ② 脳脊髄液が流れ込む 血管の周りには、ほんのわずかな空間(血管周囲腔)があります。 脳脊髄液は、ここを通って脳の奥深くまで入り込み、老廃物を集めて再び外へと運び出します。 ...

May 15, 2026 · 1 分
やわらかな夜空のもと、星と本のイラストが穏やかに浮かぶ

眠っている間、脳は何をしているの? 〜記憶と感情の整理整頓〜

「ぐっすり眠ったはずなのに、頭がスッキリしない」 「悲しいことがあった日は、よく眠れない」 そんな経験はありませんか? 実は、私たちが眠っている間、脳の中ではとても大切な"作業"が行われています。 それは——記憶の整理と、感情の処理です。 前回はグリンパティック・システム(脳の掃除のしくみ)をお話ししました。 今回はその続きとして、「眠っている間、脳が裏側で何をしているのか」を、もう少しのぞいてみましょう。 この記事のポイント ✅ 睡眠は2つの段階に分かれていて、それぞれ違う"仕事"をしています ✅ ノンレム睡眠は記憶を脳に定着させ、レム睡眠は感情をやさしく整えてくれます ✅ 睡眠不足は、学ぶ力・気持ちのコントロール・人との関わりにも影響します 目次 睡眠は「ひとつ」じゃない ノンレム睡眠:記憶を"刻み込む"時間 レム睡眠:「一晩のセラピー」と呼ばれる理由 眠りが足りないと、心と頭はどうなる? まとめ 睡眠は「ひとつ」じゃない 「眠っている時間」と聞くと、ずっと同じ状態が続いているように感じますよね。 でも実際の睡眠は、2つの段階が約90分ごとに交互にやってくることが分かっています。 ノンレム睡眠——脳が深く休んでいるけれど、体は動かせる状態。深さによってさらに段階が分かれます。 レム睡眠——体は休んでいるけれど、脳は活発に動いている状態。夢を見るのは主にこの時間です。 ひと晩に4〜5回、この2つを行き来しながら朝を迎えます。 そして面白いことに、前半はノンレム睡眠が多く、後半(朝方)はレム睡眠が多くなります。 だから「もう少し寝かせてほしいな」と感じる朝方は、実はレム睡眠のまっただ中なのです。 ノンレム睡眠:記憶を"刻み込む"時間 日中に「あ、これは大事だな」と思ったことや、新しく覚えた人の名前、運動の動きなどは、いったん「海馬(かいば)」という脳の小さな部屋に仮置きされます。 そのままだと、しばらくして消えてしまうことも。 ところが眠っている間、特にノンレム睡眠の深い段階になると、不思議なことが起こります。 昼間に活動した神経細胞のパターンが、もう一度ゆっくり再生されるのです。 これを「海馬のリプレイ」と呼びます。 「もう一度なぞり書きをしてもらう」イメージに近いかもしれません。 リプレイによって、海馬に置かれていた記憶は、より広い"長期保管庫"である大脳皮質(だいのうひしつ)へと書き写されていきます。 2024〜2025年の研究では、このリプレイのタイミングが「睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは)」と呼ばれる特殊な脳波と同期しているほど、翌日の記憶テストの成績が良いことも分かってきました。 子どもが昼寝のあとに新しい言葉をスラスラ使えるようになるのも、この働きのおかげとされています。 学んだことを忘れたくないとき、夜更かしして詰め込むより、早めに眠った方が結果的に身につくのは、こういう理由なのです。 レム睡眠:「一晩のセラピー」と呼ばれる理由 つらい出来事があった日、ぐっすり眠った翌朝に「不思議と少し気持ちが楽になっていた」と感じることはありませんか? これは気のせいではなく、レム睡眠の働きとされています。 睡眠研究の世界では、レム睡眠を**「一晩のセラピー(overnight therapy)」**と呼ぶことがあります。 不安をやわらげるしくみ レム睡眠のあいだ、脳の中では、ストレスを高める物質(ノルアドレナリン)の分泌がぐっと下がります。 ストレスホルモンが少ない、安全な状態で、その日にあった出来事を脳が"もう一度なぞる"のです。 すると、出来事の「内容(こんなことがあった)」は記憶として残るのに、くっついていた不快な感情だけが少しずつ薄められていく——そんなことが脳の中で起きています。 これがレム睡眠の「セラピー機能」です。 寝酒がよくない理由 ところが、アルコールはこのレム睡眠を強く抑え込みます。 夜にお酒を飲むと、寝つきは良くなったように感じても、レム睡眠が短くなり、その大切な"セラピー時間"が失われてしまいます。 「つらい日こそ飲んで寝る」が逆効果になりやすいのは、このためです。 ストレスを感じた日ほど、しっかりとした"素の眠り"が必要なのです。 眠りが足りないと、心と頭はどうなる? ここまでをまとめると、睡眠は頭の中の “編集者” と “整理係” のような役割を担っていることが分かります。 編集者(NREM)が記憶を清書し、整理係(REM)が感情をていねいに片付けてくれているわけです。 その時間が足りないと、当然いろんな影響が出てきます。 物覚えが悪くなる——昼間に覚えたことが、長期記憶に書き写されにくくなります。 イライラ・不安が強くなる——感情の整理が追いつかず、小さなことで揺れやすくなります。 判断力が落ちる——前頭前皮質(判断を担う領域)の働きが鈍くなります。 人とのつながりが浅くなる——表情を読み取る力や共感する力も弱まることが報告されています。 睡眠と脳の関係について、もう少し基本から知りたい方はこちらの記事もどうぞ。 👉 認知機能ってそもそも何?〜記憶・判断・注意のしくみ〜 ...

May 16, 2026 · 1 分
朝のやわらかな光のなかで、湯気のたつお茶のあるテーブルのイラスト

今日から始める『脳が喜ぶ眠り方』 〜睡眠の質を上げる実践のヒント〜

ここまで2回にわたって、睡眠と脳の関係を見てきました。 第1回:ぐっすり眠ると、脳が掃除される?〜眠りと脳のふしぎな関係〜 第2回: 眠っている間、脳は何をしているの?〜記憶と感情の整理整頓〜 「脳って、寝ている間にこんなに頑張ってくれているんだ」と、少しだけ眠る時間が愛おしくなった方もいらっしゃるかもしれません。 最終回の今回は、その大切な時間をもっと味方につけるための、実践のお話です。 むずかしい道具やお金は一切いりません。今夜から始められるものばかりです。 この記事のポイント ✅ 「何時間寝るか」と「いつ寝るか」が、脳の修復力を大きく左右します ✅ お酒・カフェイン・スマホは、知らずに眠りの質を下げています ✅ 血圧・血糖値の管理は、脳の “そうじ機能” を守ることにつながります 目次 まずは「7〜9時間ルール」 寝る時間・起きる時間を一定に お酒とカフェインの落とし穴 寝室の “三拍子”——涼しく・暗く・静かに 血管の健康が、脳の眠りを守る まとめ まずは「7〜9時間ルール」 研究の世界では、成人の理想的な睡眠時間はおおむね7〜9時間とされています。 この範囲を外れた場合、脳の老化の指標である「白質高信号(はくしつこうしんごう)」が増えやすいことが、4万人規模の脳画像研究で示されました。 「6時間で十分だ」と長く感じていた方も、1日30分早く布団に入ることから始めてみませんか。 特に朝方のレム睡眠は、感情を整える大切な時間です。 睡眠時間を削ると、ここがいちばん最初に失われてしまいます。 「忙しい日ほど早く寝る」——これが、本当の意味での “脳の節約術” かもしれません。 寝る時間・起きる時間を一定に 「休みの日くらいは、ゆっくり寝かせて」——わかります。 でも、毎日の就寝・起床時刻が2時間以上ずれると、体内時計が混乱して、深い眠りに入りづらくなることが分かっています。 特に起床時刻のばらつきは、体内時計の調整に大きく影響します。 休日も、平日との差は1時間以内におさえると、脳のリズムが整いやすくなります。 朝、起きたらカーテンを開けて自然光を浴びるだけでも、体内時計のスイッチが入ります。 散歩や朝ごはんもセットにできれば、なお良し。 「寝つきが悪い」とお困りの方も、まずは朝の光から見直してみてください。 夜の眠りは、朝の習慣に支えられています。 お酒とカフェインの落とし穴 「寝つきが悪いから、寝る前にちょっとだけ」—— お酒のお話、耳が痛い方もいらっしゃるかもしれません。 実はアルコールは、レム睡眠を強く抑え込みます。 たしかに寝つきは良くなったように感じますが、感情の整理を担う"一晩のセラピー"の時間が削られてしまうのです。 ストレスを感じた日ほど、寝酒は逆効果になりやすいことが知られています。 カフェインも要注意です。コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク—— 午後3時以降の摂取は、その夜の眠りに影響が出る可能性があります。 カフェインは体内に半日ほど残ることもあるので、夕方以降はノンカフェインのお飲み物に切り替えてみてください。 寝酒がなぜよくないのか、もう少し詳しいお話は前回の記事でも触れています。 👉 眠っている間、脳は何をしているの?〜記憶と感情の整理整頓〜 寝室の “三拍子”——涼しく・暗く・静かに ぐっすり眠るためには、寝室の環境がかなり大事です。 ポイントは3つ。 1. やや涼しく——深い睡眠に入るとき、体は中心の温度をすこし下げる必要があります。室温は18〜22℃を目安に。 2. 暗く——わずかな光でも、深い眠りを妨げると言われています。豆電球は消すか、なるべく暗いものに。 3. 静かに——耳栓やホワイトノイズで、突発的な音をやわらげるのも有効です。 そしてもうひとつ、寝る30分前のスマホ・テレビ・パソコン。 これらの強い光と情報量は、脳を「まだ起きていてね」と勘違いさせてしまいます。 代わりに、読書・ストレッチ・温かい飲み物など、ゆったりした習慣を取り入れてみてください。 「眠る準備」を整える時間そのものが、脳のスイッチを少しずつオフにしてくれます。 血管の健康が、脳の眠りを守る 第1回でお話ししたグリンパティック・システム(脳の掃除機能)は、血管のしなやかさに支えられています。 動脈がやさしく拍動することで、脳脊髄液が押し出され、老廃物が流れていく仕組みでしたね。 ...

May 17, 2026 · 1 分
夜空と眠りのイメージ

眠っている間に、脳は「明日の準備」をしている? 〜睡眠と“未来の記憶”の意外な関係〜

「寝ている間って、脳はただ休んでいるだけなのかな?」 ふと、そんなふうに思ったことはありませんか。 じつは睡眠中の脳は、思っている以上に いそがしくはたらいている ことがわかってきました。今回は、そんな研究のひとつをご紹介します。 脳は眠っている間に、「昨日までの記憶」を整理するだけでなく、「これから経験すること」の準備まで進めている ✅ 睡眠中の脳は、過去の記憶を保存する はたらきと、未来の記憶に備える はたらきを、同時に 進めていた ✅ これから覚えることを担当する細胞が、経験するより前の睡眠中に、すでに準備されている ことがわかった ✅ つまり睡眠は「ただの休み」ではなく、脳が舞台裏でせっせと働いている時間 だった(※マウスでの研究です) 目次 睡眠と記憶の、これまでの話 見つかった「明日の準備」のしくみ いま私たちにできること おわりに 睡眠と記憶の、これまでの話 私たちが眠っている間、脳は その日に見聞きしたことを整理して、しっかりした記憶に変えている ――これは以前からよく知られていました。 詳しくは、こちらの記事もどうぞ。 👉 眠っている間、脳は何をしているの? ところが今回の研究では、脳が整理しているのは「過去」だけではなかった、という新しい一面が見えてきました。 見つかった「明日の準備」のしくみ 富山大学のチームが、自由に動きまわるマウスの脳を、特別な小さな顕微鏡でのぞいて観察しました。 すると――記憶を担当する細胞のうち、「これから経験することを覚える」役の細胞 が、その経験をする より前の睡眠中に、すでに準備されている ことがわかったのです。 しかもこの“準備係”の細胞は、前の出来事を覚えたあとの睡眠中に用意される ようで、「昨日の経験」が「明日の記憶の受け皿」づくりに影響している可能性も示されました。 脳は眠っている間に、過去をしまいながら、未来の置き場所まで整えている――そんなイメージです。 ※ この研究は2025年、科学誌『Nature Communications』に発表されたものです。マウスでの研究 であり、人でまったく同じことが起きると確認されたわけではありません。 いま私たちにできること むずかしい話になりましたが、私たちにできることは、とてもシンプルです。 ✅ 睡眠時間をけずらない(記憶の整理も準備も、眠っている間に進みます) ✅ 毎日だいたい同じ時間に寝起きする(脳のリズムが整います) ✅ 寝る前のスマホ・明るい光をひかえる ✅ 昼間に体を動かす(夜の眠りが深くなります) 「しっかり眠ること」が、昨日の自分にも、明日の自分にも役立っている。そう思うと、眠る時間がちょっと愛おしく感じられますね。 具体的な眠り方のコツは、こちらにまとめています。 👉 脳が喜ぶ眠り方 おわりに 「寝る子は育つ」と言いますが、どうやら 大人の脳にとっても、睡眠は“育ちの時間” のようです。 過去を整理し、未来に備える――そんな脳の働きを思いながら、今夜もゆっくり休んでください。それが、いちばん身近な“脳のケア”なのかもしれません。 📚 あわせて読みたい一冊 PR スタンフォード式 最高の睡眠 睡眠研究の世界的な拠点・スタンフォード大学の研究者が、「眠りの質を上げるコツ」をやさしくまとめた30万部超のベストセラー。今日からできる工夫がたくさん載っています。 Amazonで見る 楽天で見る 参考にした情報 富山大学 学術研究部医学系 生化学講座の研究/井ノ口馨 卓越教授ほか 科学誌『Nature Communications』2025年発表の論文(睡眠中の記憶の並行処理) ※ 本記事は、上記の信頼できる研究・大学発表をもとに、一般読者向けにわかりやすくまとめ直したものです。紹介した内容は研究段階のものです。睡眠や体調についてご心配がある場合は、かかりつけ医にご相談ください。

June 20, 2026 · 1 分
夜の窓辺で月を眺めるおだやかなイラスト

夜中に目が覚めるのは、私だけ? 〜年代で変わる睡眠の悩みと、今夜からできる工夫〜

「夜中に何度も目が覚めてしまう」「若いころは、どこでも眠れたのに」——。 そんなふうに感じて、ため息をついたことはありませんか? じつは今年(2026年)発表された大きな調査で、日本人の眠りの「いま」 が詳しくわかってきました。そして面白いことに、睡眠の悩みの中身は、年代によって大きく変わっていく のです。 「眠れないのは自分だけ」と思っていた方にこそ、読んでいただきたい内容です。数字を見ながら、今夜からできる工夫まで、ご一緒に見ていきましょう。 ✅ 日本人の睡眠時間は平均 6.4時間。理想は 7.4時間 で、ちょうど1時間足りない 状態が続いている ✅ 睡眠の悩みは年代で変わる。若い世代は「時間が足りない」、40〜50代は「眠りが浅い」、70代は「寝つけない・夜中に目が覚める」 が中心 ✅ 年齢とともに眠りが変わるのは 自然なこと。日中の過ごし方を少し変えるだけで、眠りの質は整えやすくなる 目次 日本人の眠り、いまはどうなっている? 年代で、こんなに変わる睡眠の悩み なぜ、年をとると眠りが変わるの? 理学療法士として、現場で感じること いま、私たちにできること おわりに 日本人の眠り、いまはどうなっている? あなた 「日本人は眠れていない」ってよく聞きますけど、実際のところ、どうなんですか? Torapon 今年の春に、全国3,000人に聞いた新しい調査があるんです。数字で見ると、「1時間足りない」 という姿がはっきり見えてきますよ。 調査会社のクロス・マーケティングが2026年3月に、全国の20〜69歳・3,000人に行った「睡眠に関する調査」によると—— いまの平均睡眠時間は 6.4時間 理想の睡眠時間は 7.4時間 その差は ちょうど1時間。しかもこのギャップは、2023年からずっと変わっていない そうです さらに、眠りの「質」についてはこんな結果でした。 睡眠の状態 割合 日中、眠くなる 65% 寝ても疲れがとれない 59% 眠りが浅い 57% 半分以上の人が「昼間眠い」「疲れがとれない」と感じている——つまり、眠りに悩んでいるのは、決してあなただけではない のです。 年代で、こんなに変わる睡眠の悩み ここからが、今回いちばんお伝えしたいところです。同じ「眠れない」でも、年代によって中身がまったく違う ことが、調査からわかっています。 若い世代(10〜30代):「時間が足りない・朝がつらい」 若い世代の悩みの中心は、睡眠時間そのものの不足 です。夜ふかしなどの生活リズムの乱れが影響しやすく、「朝なかなか起きられない」「日中だるい」という声が目立ちます。 40〜50代:「眠りが浅い・疲れがとれない」 働き盛りの世代では、「眠りの浅さ」 が特に多くなります。2026年の調査では、眠りの浅さは 50代で最も多い という結果でした。 また、2025年11月に全国の18〜79歳・3,000人に行われた別の調査(クロス・マーケティング「健康に関する実態・意識調査」)では、疲れやストレスを最も強く感じているのは40〜50代 だとわかっています。全体でも、疲れを感じている人は約7割、ストレスを感じている人は約6割にのぼりました。 あなた まさに私の世代です……。あと、夫のいびきも気になっていて。 Torapon じつは調査でも、男性の50〜60代は「いびき」、女性の40〜60代は「手足の冷えやしびれ」 が睡眠時の悩みの上位なんです。年代と性別で、悩みの顔ぶれが変わるんですね。 ...

July 20, 2026 · 1 分
Torapon

1日8時間以上座っていませんか? 〜『動く・座らない・眠る』で守る24時間〜

「気がつくと、朝から夕方までずっと椅子に座っていた…」 そんな日が続いていませんか? 最近の大規模研究で、 1日8時間以上の座りすぎ が認知症リスクを大きく上げることが分かってきました。今回は、 動く・座らない・眠る の3点セットで考える、これからの「24時間の整え方」を平易にお伝えします。 この記事のポイント ✅ 1日8時間を超えて座っていると、認知症リスクが約27%上がるという報告 ✅ 「動く・座らない・眠る」の3点セットで、リスクは大きく下がる ✅ 大切なのは 「1時間に1回、立ち上がる」 という小さな習慣 研究:座位8時間超で認知症リスクが27%増 イギリス・York大学のOye-Somefunらが、2026年4月にPLOS One誌に発表したメタ解析です。 35歳以上の 数百万人規模・69件の前向きコホート研究 を統合した、現時点でとても信頼性の高い分析です。 研究のポイントを3つにまとめると: 座っている時間が1日8時間を超えると、認知症リスクが約27%増える 一方、 身体活動が多い・座位が短い・睡眠7〜8時間 の3条件を満たす人は、平均よりリスクが大きく低下した 1日の中で「動く」「座らない」「眠る」をどう配分するかが鍵になる 「動く・座らない・眠る」は3点セット これまで、運動・睡眠は別々に語られることが多かったのですが、この研究では 3つを1セットにして考える ことの大切さが浮かび上がりました。 要素 目安 動く(身体活動) 1日合計30分程度の中等度活動(早歩きなど) 座らない 連続して座る時間を短くする(理想は1時間に1回立つ) 眠る 7〜8時間程度の睡眠 どれか1つを頑張るより、 3つを少しずつ整える ほうが、認知症リスクの低下につながりやすいということです。 「1時間に1回、立ち上がる」だけでも違う 「座らない」と聞くと、立ち仕事に変えなきゃいけないように感じますが、そんな必要はありません。 私(Torapon)が地域の講座でお伝えしているのは、 「1時間に1回、立ち上がりましょう。立つだけでもOKです」 という、ごくシンプルな合言葉です。テレビのCM、家事の合間、家族の声かけ──きっかけは何でも構いません。 立ち上がって2〜3歩あるく、お茶を入れる、洗濯物を1枚たたむ。それだけで、ふくらはぎの筋ポンプが働いて全身の血流が動き出します。 雨の日でも続けたいなら、家でできる工夫を 「外を歩きたくても、雨の日や暑い日が続いて…」というご相談はとても多いです。 そんな日のために、私は 家の中で『座りすぎ』を断ち切る道具 をひとつ持っておくことをおすすめしています。 私自身は STEADYのミニフィットネスバイク(足元タイプ) を居間に置いていて、テレビを見ながら時々ペダルを回しています。 「座りすぎの座位」を「動く座位」に置きかえる イメージです。膝や腰への負担も少なく、年齢に関係なく始めやすいです。 PR ミニフィットネスバイク STEADY ST121 足元に置いて、テレビを見ながら時々ペダルを回すだけ。電源不要・静音・マグネット式で、夜のリビングでもご家族の迷惑になりにくい設計です。負荷は16段階で、年齢や体力に合わせて調節できます。「座りすぎの座位」を「動く座位」に置きかえる入り口にちょうど良い1台です。 楽天で見る 体を動かす習慣は、家の中だけでなく「通える場所」をつくるのも続けるコツ。外でしっかり運動したい方には、こんな選択肢もあります。 ...

May 24, 2026 · 1 分