「お野菜もちゃんと食べているし、そんなに偏ってはいないはず…」 そう思っていても、菓子パンや即席麺、加工肉が毎日の食卓に並んでいませんか?
最近の研究で、こうした 超加工食品(UPF) が増えると 「注意力」が落ちやすい ことが分かってきました。今回は、難しいお話を平易にまとめてみます。
この記事のポイント
✅ 超加工食品(UPF)が10%増えるごとに、注意力スコアが下がるというデータが出た
✅ 「食事全体の質」とは別の影響なので、野菜中心の人も油断できない
✅ 大切なのは 「ゼロにする」ではなく「頻度を下げる」
そもそも「超加工食品(UPF)」って?
UPFは Ultra-Processed Foods の略で、工場で何段階も加工された食品をさします。代表的なものは:
- 菓子パン、市販の菓子
- 加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコン)
- 即席麺、冷凍ピザ
- 清涼飲料水、エナジードリンク
- スナック菓子
これらは塩・砂糖・脂質に加え、家庭ではあまり使わない添加物(乳化剤・保存料など)が含まれているのが特徴です。

研究:UPF 10%増ごとに「注意力」が落ちる
オーストラリアの研究(Monash大学、Cardosoら、2026年4月発表)は、40〜70歳の成人 2,192人 の食事を分析しました。「Nova分類」という方法でUPFの割合を出し、認知機能との関連を調べたところ、
UPFが食事全体で10%増えるごとに、注意力スコアが有意に低下していた
ことが分かりました。一方で 記憶のテストとの関連は見られなかった とのこと。注意力という、毎日の生活の中で「うっかり」「気が散る」につながる部分にじわっと影響していたわけです。

大事なのは「食事全体の質」と独立だったこと
ここがポイントです。研究では「食事全体の質(野菜・果物の摂取量など)」を補正しても、 UPFそのものの影響が残った といいます。
つまり、
- 野菜をしっかり食べている方
- 魚や大豆もとっている方
でも、 菓子パン・加工肉・即席麺・清涼飲料を放っておくと注意力が落ちる可能性がある ということ。「いいものを足す」だけでは足りず、「困るものを少し減らす」両輪が大切なんですね。
現場で私が伝えていること
私(Torapon)は患者さんやご家族にお話しするときに、こんなふうにお伝えしています。
「ゼロにしなくて大丈夫です。それ以外にも、おいしいものはいっぱいありますし、お楽しみとして時々食べる分には良いと思いますよ」
UPFを「悪者扱い」して全部禁止してしまうと、食卓がさみしくなり、長続きしません。 頻度を下げる ことを意識するだけで、注意力の維持にぐっと近づけます。

いま私たちにできること
具体的に、無理なく続けやすい工夫を5つご紹介します。
- ✅ 朝食の 菓子パンを週に1〜2回に(残りはご飯・パン+たんぱく質に)
- ✅ ハム・ソーセージは 週2〜3回まで、メインは魚・卵・豆製品で
- ✅ 即席麺は 「忙しい日のお守り」 として常備、毎日にはしない
- ✅ 清涼飲料水を お茶・水・無糖炭酸 に置きかえる
- ✅ おやつは 果物・ナッツ・ヨーグルト を選ぶ日を増やす

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「足し算」のヒントは、こちらの記事もご参考に。
おわりに
「ちゃんと野菜を食べているから大丈夫」と思っている方ほど、UPFは盲点になりがちです。でも、 ゼロにする必要はありません。 お楽しみの一品は残しつつ、頻度を少しだけ下げる。それだけで、注意力という大切な力を守ることができそうです。
無理なく、楽しく続けていきましょう。
参考にした情報
- Cardoso BR et al. Alzheimer’s & Dementia: DADM 2026年4月28日. https://alz-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dad2.70335
- Nova分類(食品の加工度による4段階分類、サンパウロ大学)