「テレビで良いと言っていたから」「ネットで評判だったから」——。 そう思って買った健康食品やサプリが、いつの間にか戸棚にたまっていませんか?
じつは今、健康にお金をかけている人ほど、「何を信じたらいいか分からない」と感じている という調査結果が出ています。今回は、その最新データを見ながら、あふれる健康情報とのかしこいつき合い方を、ご一緒に考えてみたいと思います。
✅ 1年間に健康にかけるお金は、平均で 約15.7万円(前の年より約1.8万円アップ)
✅ 「健康の正しい情報が分からない、何を信じたらいいか分からない」と感じる人は 24.0%(3年で5.1ポイント増加)
✅ 情報にふり回されないコツは、「誰が・何人に・いつ調べたか」 を確かめること
目次
- 健康にかけるお金は、年15.7万円まで増えている
- お金をかけるほど、「迷い」も増えている
- 情報にふり回されないための、3つのものさし
- 理学療法士として、現場で感じること
- いま、私たちにできること
- おわりに
健康にかけるお金は、年15.7万円まで増えている

みんな、健康のためにどれくらいお金を使っているんでしょう?
最近の調査だと、1年で平均15.7万円 なんですよ。しかも、年々増えているんです。
ハルメクグループの生きかた上手研究所が、2025年に 50〜79歳の女性467人 に行った「健康に関する意識・実態調査2025」によると——
- 1年間に健康にかけているお金は、平均で 約15.7万円
- 前の年より 約1.8万円 増えていました
内訳を見ると、「運動サービス」「マッサージ・整体」「医薬品・医療品」への出費が、それぞれ増えています。「認知症になりにくい生活を送りたい」「入院や介護のいらない体でいたい」といった 予防への意識 も、この3年で高まっているそうです。
体を大切に思う気持ちが、こうしてお金の使い方にも表れているのですね。
お金をかけるほど、「迷い」も増えている

ところが、ここで少し気になる数字があります。
同じ調査で、「健康に関する正しい情報が分からない、何を信じたらよいのか分からない」 と答えた人が、こんなふうに増えているのです。
| 年 | 「何を信じたらいいか分からない」と感じる人 |
|---|---|
| 2023年 | 18.9% |
| 2025年 | 24.0% |
3年で 5.1ポイント も増えています。いまや、4人に1人 が情報に迷っている計算です。
たしかに……。テレビ、ネット、ご近所の話。どれもそれらしく聞こえて、かえって分からなくなります。
そうなんです。情報が多すぎると、選ぶのがかえって難しくなる。だからこそ、情報を見分けるちょっとしたコツが役に立つんですよ。
健康を大切に思う気持ちが強いからこそ、たくさんの情報を集める。でも集めるほど、どれが本当か分からなくなる——。そんな“情報の渋滞”が、いま多くの方に起きているのかもしれません。
情報にふり回されないための、3つのものさし

医療の現場でも、私たちは新しい情報の「たしからしさ」を、いくつかの目印で見分けています。むずかしい知識はいりません。次の 3つのものさし を持つだけで、ぐっと惑わされにくくなります。
ものさし① 「誰が言っているか」を見る
まず、その情報の 発信元 を確かめます。国や学会、大学、公的な研究機関などが出している情報は、比較的たしかです。反対に、その商品を売っている会社だけ が「効きます」と言っている場合は、少し立ち止まって考えたいところです。
ものさし② 「何人を調べたか」を見る
「飲んだら元気になった」という声も、それが 一人の感想 なのか、何百人・何千人を調べた結果 なのかで、意味は大きく変わります。人数が多く、きちんと比べて調べたものほど、信頼しやすくなります。
ものさし③ 「いつの情報か」を見る
健康の常識は、少しずつ新しくなっていきます。「昔は良いとされていたが、今は違う」ということも珍しくありません。なるべく新しい情報 を選ぶのも、大切なものさしです。
「個人の感想です」って、よく小さく書いてありますよね。
いいところに気づかれましたね。あの一言は、「たくさんの人で確かめたわけではありませんよ」 という合図なんです。頭の片すみに置いておくと、ふり回されにくくなりますよ。
理学療法士として、現場で感じること
リハビリの現場でも、「テレビで見たこの体操、やってもいいの?」「この健康食品、続けたほうがいい?」と聞かれることが、よくあります。
そんなとき私がお伝えしているのは、「良さそうでも、まずは今の体に合うか一緒に考えましょう」 ということです。同じ方法でも、合う人と合わない人がいます。情報そのものより、「自分の体に合っているか」 を確かめる——その一手間が、いちばんの近道だと感じています。
いま、私たちにできること

情報とかしこくつき合うために、今日からできることをまとめます。
- ✅ 気になる健康法を見つけたら、「誰が・何人に・いつ調べたか」 をひと呼吸おいて確かめる
- ✅ 「絶対に治る」「これだけで大丈夫」という 言い切りには、いったん立ち止まる
- ✅ 高価なサプリや器具を買う前に、かかりつけ医や薬剤師に一言相談する
- ✅ 情報を集めすぎて疲れたら、いったん離れてみる(“情報の休憩”も立派な健康法です)
- ✅ 迷ったら、国や公的機関のサイト を見に行く
お金をかけることが悪いわけではありません。大切なのは、「納得して選べているか」。それだけで、同じ出費でも安心感がまったく変わってきます。
おわりに
健康にお金をかける人が増えているのは、それだけ 「元気で長生きしたい」 という願いが強いということ。とても自然で、すてきな気持ちです。
だからこそ、その大切なお金と時間を、あやふやな情報でムダにしてほしくない——。医療者として、そう思います。
次に「体に良さそう」な情報に出会ったら、ぜひ今日の3つのものさしを思い出してみてください。ふり回されず、自分にとって本当に必要なものを、落ち着いて選べるようになるはずです。
健康とお金の話題は、こちらの記事もどうぞ。 👉 夜中に目が覚めるのは、私だけ? 〜年代で変わる睡眠の悩みと、今夜からできる工夫〜
参考にした情報
- ハルメク 生きかた上手研究所 「健康に関する意識・実態調査2025」(2025年9月実施、全国の50〜79歳の女性467人)
※ 本記事は、上記の調査結果をもとに、一般読者向けにわかりやすくまとめ直したものです。特定の商品・サービスの効果を保証するものではありません。健康食品・サプリメント・治療法の利用に迷う場合は、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。